結婚式招待状はいつ送る?招待状準備の手順とマナー【プランナー監修】
結婚式の開催をお知らせする招待状。日時や場所をお知らせして出欠を確認するのが目的ではありますが、ゲストが戸惑うことなく当日を楽しみにしてくれるような新郎新婦の気遣いも添えたいところ。今回は、招待状の準備から発送までの手順や覚えておきたいマナーをご紹介します。
Contents
結婚式の招待状とは
結婚式の招待状は、挙式・披露宴の日時や場所など、パーティーの案内状としての役割があります。必要な情報を正しく伝えるのはもちろんですが、なによりもまず、招待状はゲストに対する最初の“おもてなし”であることを忘れないこと。
たとえば真夏の結婚式なら「おしぼりは用意していますが、帽子や日除けをお持ちください」といったアテンション、招待状のデザインをゲストが当日をイメージできるようなもの=「結婚式のコンセプトが見えるようなデザインに仕上げる」など、招待状に、ゲストへの思いやりや気遣いを込めることが大切です。
マナーやルール、モラルに気を付けながら、大切な人へ向ける手紙と同じように気持ちを込めて作成しましょう。
招待状の役割
・結婚の報告、挙式・披露宴の日時や場所を記載した案内状
・ゲストへの最初のおもてなし
・結婚式のイメージやふたりらしさを表現するもの
一般的な招待状の内容
<招待状の中身>
・封筒
・本状
・返信用ハガキ
<本状の内容>
・挨拶文
・結婚式の日時、場所
・会場までのアクセス
・出欠の返信依頼
招待状作成の準備スケジュール
国内挙式の場合
【5〜6ヶ月前】招待客リストの作成・住所あつめ
【4ヶ月前】招待状のデザイン・コンテンツ決め
【3.5〜4ヶ月前】コンテンツの詳細決め・招待状の発注・切手の用意
【3.5ヶ月前】宛名書き
【2ヶ月~3ヶ月前】投函
【1ヶ月前】出欠の返事集計
海外挙式の場合
海外挙式の場合の招待状作成の準備スケジュールは、基本的に国内挙式と同じですが、交通費や宿泊費を誰が負担するかを事前に話し合う必要があります。
また、友人を招待する場合は、仕事の都合などを調整してもらう必要があるため、なるべく早い段階で日程や場所について伝え、参加できるかどうかを確認しておきましょう。
【式場決定後】交通費や宿泊費の話し合い、航空券などについて早めに調べておく
【1年〜半年前】Save the Date(日時や具体的な場所、交通費や宿泊費について、正式な招待状を送る前に伝えておく)
【5〜6ヶ月前】招待客リストの作成・住所あつめ
【4ヶ月前】招待状のデザイン・コンテンツ決め
【3.5〜4ヶ月前】コンテンツの詳細決め・招待状の発注・切手の用意
【3.5ヶ月前】宛名書き
【2ヶ月~3ヶ月前】投函
【1ヶ月前】出欠の返事集計
招待状の準備ステップ
①招待客リストの作成・住所あつめ
はじめに、招待するゲストをあらいだし、“招待客リスト”を作成します。
招待するゲストが決まったら、次は招待状を送るための住所集め。メールやSNSで結婚式の日程を伝え、参加できそうかの事前確認とあわせて、住所を教えてもらいましょう。
その際に、ゲストの住所と氏名の正しい表記(旧字体か新字体か、特殊表記の有無など)を確認しておくと、招待客リストの管理と招待状の作成がスムーズにできるのでおすすめ。
また、最近は「save the date(セイブ・ザ・デート)」というプレ招待状を取り入れる花嫁も増えています。
「save the date」は、正式な招待状を出す前に、「この日は空けておいてね」とアナウンスする目的のペーパーアイテムで、海外では一般的なもの。日本ではペーパーアイテムではなく、GoogleフォームやLINEを活用して案内を出すケースも多いようです。
※招待客リストの作り方について、こちらの記事もあわせてチェック!
【現役プランナーに聞く!】失敗しない、結婚式の招待ゲストリストの作り方
②デザイン・コンテンツ決め
次に、招待状のデザインの依頼先とコンテンツを決めていきます。
招待状のデザインは、式場で用意されているものから選んだり、手作りキットを活用したり、完全オリジナルで作成する方法もあります。
デザイン決めのときに気を付けたいポイントは、結婚式のコンセプトに合わせた雰囲気にすること。
たとえば、ラグジュアリーなホテルでの結婚式にナチュラルテイストのデザインはミスマッチ。ゲストに結婚式の雰囲気が伝わらず、服装など悩ませてしまう場合も…。デザインが好みであっても、招待状だけをみて選ぶのではなく、結婚式のテーマを考慮してセレクトしましょう。また、招待状に入れ込みたいコンテンツも合わせて検討しておくこと。
③招待状の発注・切手の用意・コンテンツの詳細決め
挨拶文・日時・場所・アクセスのほか、ゲストにアナウンスしたい項目など本状に入れ込む具体的なコンテンツを決めます。
本状に書き切れない内容がある場合(受付や余興をお願いするゲストへのアテンションなど)は、付箋を用意しましょう。
たとえば、挙式は家族や親戚など身内のみで行い、披露宴から友人ゲストを招待する場合は、挙式に招待する人にのみ、挙式の案内を記した付箋を同封します。また、ドレスコードの指定や暑さ対策の注意書き、クロークの案内などゲストに配慮したアテンションやインフォメーションを盛り込むのも◎。
招待状のコンテンツが決まったら、招待状のカードを発注します。投函分の慶事用(寿)切手と、返信ハガキ貼付用の切手も忘れずに用意すること。
*海外挙式の場合*コンテンツの内容について
とくに海外挙式の場合は、案内状にはなるべく詳細の情報を載せるようにしましょう。
旅費や宿泊費はだれが支払うのか、現地での交通費はどうなるのか、送迎バスなどの手配はあるのか、などゲストが迷わないように、わかりやすく案内するのが好ましいです。
<案内状に入れるべき案内例>
・食物アレルギーがあるか
・貸切バスを利用するか
・ヘアセットが必要か
・旅行期間のスケジュール
・チップの相場や渡し方について
・紛失や盗難、病気やケガがあった時の対処法
・おすすめのショッピングポイントや食事場所
④宛名書き
招待状が完成したら、いよいよ宛名書き。差出人名は印刷する場合が多いですが、宛名は自分たちで書くか、印刷、もしくは業者に依頼することも可能です。
<宛名書きで注意するポイント>
・手書きの場合は、文字バランスと品格、名前の書き間違いに注意する。
・あいまいな漢字は必ず本人に確認する。
・郵便番号は数字のみ。郵便マーク「〒」は不要。
・手書きの場合は、毛筆もしくは筆ペンを使う。結婚式の宛名書き専用ペンなどを活用するのも◎。
・招待状に記載する文面は、縦書き/横書きを統一する。ただし、返信用ハガキは縦書きが基本。
・数字は漢数字がベスト。ただし、住所の一部やマンション名などに算用数字が含まれている場合は正しい表記に従う。
⑤発送(投函)
招待状の投函は、結婚式当日の2ヵ月前の吉日(大安や友引など)の消印日に設定するのが◎。必ず大安の日に投函しなければいけないというルールはありませんが、日本には古くからお祝い事のお日柄を大切にする習慣があるため、お日柄の良い日を選ぶことで、ふたりのマナーや気遣いも伝わります。
基本的に招待状の手渡しはNGですが、親しい間柄のゲストなど関係性によってはOKな場合も。ただし、相手に手抜きをしたと勘違いされる場合もあるので、手渡しする場合であっても必ず切手を貼り名前を書くのが正解です。
切手代をコスト削減したい場合は、トレンドの“特別手渡し便”(オリジナルでデザインした料金別納郵便マーク)を活用するのもおすすめ。また、手渡しの場合はお日柄を気にする必要はありませんが渡す場所には配慮が必要です。
⑥集計
招待状の返信が集まったら、出席してくれるゲストの数を集計します。返信ハガキに記載されているゲストの氏名・住所と、最初に用意しておいた招待客リストを照らし合わせ、間違いがないか確認しましょう。
招待状制作費の予算相場って?式場に依頼した場合と手作りの場合
新郎新婦のおもてなしを添えたすてきな招待状を作るのが理想ではありますが、制作にかかる費用も気になるところ。
手作りキットを使用した場合と式場に依頼した場合、完全オリジナルで作成した場合の予算相場は下記です。
・手作りキット:1部 150~300円
・式場に依頼:1部 400~500円
・完全オリジナル:1部 1000円 ※デザインやオーダー方法による
完全オリジナルにするとグンとコストUPしてしまいますが、その分デザイン性が高く、紙質やコンテンツも自由にセレクトできるというメリットがあります。予算に合わせて上手にセレクトしたいですね。
招待状の書き方マナー
こだわりのデザインでオリジナリティを表現することも大切ですが、ある程度のマナーを守ることも大切。ふたりの結婚式に対する真剣な思いが伝わるよう、マナー・ルール・モラル、3つのバランスを整えることが大切です。
<本状のマナー>
・句読点の「、」は使わず、代わりに「1文字分(全角スペース)」スペースを取る。
・「我々」といった“重ね言葉”や物事の終わりを連想させる“忌み言葉”は使わない。
・封筒と本状、その他の同封物の縦書き、横書きを合わせる。
・返信期限は結婚式の1ヶ月前に設定する。
・差し出し日の記載は、投函月の吉日にする。 例)平成29年1月吉日
・年月日表記は統一する。 例)平成29年/2017年
・時間は午前/午後で表記する。例)12時スタート…「正午」 13時スタート…午後1時・数字の半角
・全角を統一する。 例)平成29年1月9日/平成29年1月9日
・招待状の差出人は披露宴の主催者にする。
・書き出し文に「拝啓」を入れる場合は、必ず「敬具」で締める。その場合、書き出しに季語を入れると〇。
・「私たち」「わたしたち」など、漢字とひらがなの表記は統一する。
・始まりの時間は明記するが、終了時間は書かない。
<封筒のマナー>
・切手は慶事用を使う。
・手書きの場合は毛筆を使う。
・印刷の場合は、カジュアルだったり細すぎたりする書体は避け、明朝体などのカッチリした書体を使う。
・封は、のり付けして封緘シールを貼る。
・封筒の裏面には、差出人の住所と氏名を書く。入籍を済ませ、姓が変わっている場合は新姓で書き、右や下に(旧姓 ○○)と書く。
・夫婦や家族で出席してもらいたい場合は連名にし、名前に”様”をつける。
<封筒への入れ方のマナー>
・会場地図→返信ハガキ→付箋 の順に上から重ね、本状にはさみ、封筒に入れる。
招待状準備Q&A
Q:1.5次会スタイルの場合の招待状はどうすればいい?
通常、案内状は送りますが、返信用ハガキは付けても付けなくてもOKです。出欠の返信が必要ならば、QRコードを添える方法もおすすめ。ゲストの手間や負担の軽減になるだけでなく、新郎新婦の管理もラクになります。
Q:二次会でも招待状は必要?
二次会で招待状を送ることは少ないですが、会場に人数をお知らせする都合も考えると案内状を作成するのがおすすめ。LINEなど手軽に返信できる方法をチョイスすれば、ゲストへの負担も少なくて済みます。最近はWEB招待状を活用する新郎新婦も増えています。
Q:招待状の名前は、旧姓と新姓のどちらを書けばいい?
旧姓、新姓どちらを使ってもOK。ただし、挨拶文に「〇月〇日に入籍しました」とアナウンスする場合は、夫婦同性にし、旧姓を使わないようにしましょう。
Q:会場名は正式名称の英語か、カタカナどっちで案内すべき?
会場のなかには、英語やフランス語を使用したものも多くありますが、両親世代、祖父母世代でも読めるようにカタカナで記載するのがおすすめです。
Q:宛名書きは絶対に毛筆で書かないとダメ?
ボールペンやサインペンは避けた方が良いですが、最近は筆ペンでも問題ありません。ただし、薄墨筆ペンは弔事用なので絶対にNG。
Q:差出人、手書きか印刷か筆耕のどれがおすすめ?
最近は印刷する方が増えています。手書きはかなり難しいので、できるだけ控えた方が無難。予算はかかりますが、筆耕(宛名の文字を書くプロの方)もおすすめです。筆耕の場合は、納期がかかるので余裕をもったスケジュールで準備しましょう。
Q:小さな子どもも招待したいのだけど、敬称は「様」でいい?
基本的には「様」をつければ問題ありませんが、5歳以下の子どもの場合は「くん」「ちゃん」でOK。
最後に
招待状の作成でマナーは大切ですが、もっとも大切なのは新郎新婦ふたりの気持ち。オシャレをしてご祝儀を包んできてくれるゲストに対する気配りとおもてなしが伝わる招待状を完成させましょう!
監修/VOUS BRIDAL代表 鶴野蒔咲子
1983年 長崎県長崎市生まれ。音楽高校・芸術大学を卒業後、舞台や音楽業界で活動し、結婚式の聖歌隊をしたことがきっかけでウェディング業界へ転職。ゲストハウス、専門式場、ウェディングプロデュース会社のウェディングプランナー、その後海外のプランナーアシスタントの経験を経て2013年 フリーウェディングプランナーへと転向。
2015年よりフリースタイルウェディングのプロデュース「VOUS BRIDAL」(現:㈱LES VOUS)を設立。イベントスタジオ、レストラン、ホテル、邸宅、アウトドア、レジャー施設、観光施設、海外など結婚式場以外のさまざまな場所でも内装から企画、すべてオリジナルで手掛ける。
■VOUS BRIDAL
ライター/濱岡操緒
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本記事は、2018年09月18日公開時点の情報です。情報の利用並びにその情報に基づく判断は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮したうえで行っていただくようお願いいたします。