人生を変えた、結婚式。LGBTカップルの結婚式体験談
本日ご登場いただくのは、2013年に同性同士で結婚式を挙げた、元タカラジェンヌの東小雪さん。女性同士の結婚式ならではの楽しみ方や大変だったこと、結婚式を挙げてみて感じたことや実際の結婚式のお写真など、盛りだくさんにお伺いしてきました!
- PROFILE
- 元タカラジェンヌ 東小雪さん会社経営/結婚時の年齢:28歳
- WEDDING PLACE
- 東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ(R)ホテル/浦安・舞浜・幕張・千葉
ずっと、自分には「結婚」も「結婚式」もないんだろうなと思っていた
結婚式に対してはもともとどんなイメージをお持ちでいらっしゃいましたか?
元タカラジェンヌ 東小雪さん:私が女の子が好きだと気づいたのは、高校2年生のときでした。 そのころ、自分のなかでの「結婚」は、「婚姻届を出すこと」、「一緒に住むこと」や「結婚式を挙げること」などがみんなセットになっていたので、同性が好きだと気がついたときに、「あ、私には結婚ってないんだな」って思ったんですね。 でもあるとき、先輩のレズビアンカップルから結婚式を挙げたお話を聞きました。結婚式のアルバムを見せていただいたり、式を挙げて良かったというお話を聞いて、「女性同士でもできるんだ」と勇気をいただきました。
そのときすでにパートナーと一緒に暮らしてらっしゃったということですが、そこから結婚式を挙げることになったんですか?
元タカラジェンヌ 東小雪さん:いつかは挙げたい…と思っていましたが、準備もしてきませんでしたし、イメージのなかにもありませんでしたから、すぐにというわけではなかったですね。 実際に挙げることをリアルに考えるようになったのは、東京ディズニーリゾートのシンデレラ城で結婚式を挙げるプランが発表されたタイミング。私はもともとディズニーが大好きだったので、同性カップルでも結婚式を挙げられるか問い合わせたのがきっかけです。
そしていよいよ結婚式の準備がスタート!同性同士の結婚式の楽しみ方
実際に準備をはじめて、こだわったことは何かありますか?テーマとか。
元タカラジェンヌ 東小雪さん:テーマは「レインボー」です。LGBTのシンボルカラーって6色のレインボーなんですよ。なので、お互いのブーケに3色ずつ入れたり、デザートをレインボーカラーにしたり。
挙式の様子@ホテルミラコスタ
LGBTのシンボルである6色のレインボーカラーを使ったブーケ@ホテルミラコスタ
元タカラジェンヌ 東小雪さん:準備は全体を通して、とても楽しかったです!式は東京ディズニーシーのホテルミラコスタで挙げました。結婚式の前日から泊まって2人でエステをして、当日も朝から2人で支度して。 式の準備を進める過程で、私の母から結婚式に参加しないという連絡があり、それは本当に残念で、精神的に辛いこともありました。ですが、式場の方もとても良くしてくださいましたし、デザイナーの友達が手作りのウェルカムボードをプレゼントしてくれたり、友達が二次会の幹事を買って出てくれたり、私たちの結婚式を作るためにみんなが力を貸してくれて、本当に幸せでした。
東京ディズニーシーでの一枚
披露宴の様子@ホテルミラコスタ
ウエディングドレス姿のお2人@ホテルミラコスタ
ドレス姿でお2人並ぶとすごく華やかですね!
元タカラジェンヌ 東小雪さん:披露宴ではプリンセスラインのドレス、二次会では大人っぽいラインのドレスでお色直しをしました。ヘッドアクセサリーや靴、ブーケをお揃いにして、さりげなく合わせ感のあるコーディネートをして。そういう楽しみ方は女性同士ならではだと思います。
二次会のパーティは場所を移して。ドレスも大人っぽくお色直し@東京都内某ホテル
二次会でのケーキカット@東京都内某ホテル
二次会のテーマカラーもレインボー!@東京都内某ホテル
デザートもレインボーです!かわいい!@東京都内某ホテル
結婚式をきっかけに人生が変わった!結婚式という体験がその後の結婚生活を支えてくれている
お二人にとって、結婚式ってどんな存在ですか?
元タカラジェンヌ 東小雪さん:東京都渋谷区で、全国で初めて「同性パートナーシップ証明書」が発行されることが決まりました。しかし同性カップルがふたりで生きていくには、まだまだ大変な部分がたくさんあります。 結婚式はとても幸せな経験でしたが、日本では同性カップルは法的に結婚することができません。そのために家を借りにくかったり、税金の優遇を受けられなかったり、愛するパートナーに財産を残すことも難しいのが現状です。 立ちはだかる壁がたくさんある中で「2人で生きていくんだ」と覚悟を決めて、周りのみなさんに認めていただく、私たちにとって結婚式はそんな機会だったと思います。
結婚式を挙げる前と挙げた後で、何か変わったことはありますか?
元タカラジェンヌ 東小雪さん:結婚式を挙げて、パートナーはもちろん、家族や友人たちなど、周りの方への感謝の気持ちが自然と湧き上がってくるのを感じました。 それから、結婚式をきっかけに周りの方に夫婦として認めていただくようになったので、とても生きやすくなりました。 結婚式を挙げてからの生活って異性も同性も大変だと思います。価値観が違うなって思うこともあるし、喧嘩をしたりもする。 そんなときに、結婚式を挙げていると、支えてくれる人が周りにいるということに気づけます。一生懸命準備をして、2人で気持ちをひとつにしたという経験や、結婚式の思い出を家族や友達と共有したということが、その後の私たちの結婚生活を支えてくれていると思います。 たとえば、結婚指輪とか友達が作ってくれたウェルカムボードがふとしたときに目に入ると、些細なことでケンカしてはいけないなとか、大変なことがあっても一緒に話し合って解決していこうね、支え合おうねという気持ちに自然と立ち返れます。
では最後に、後輩カップルのみなさんにアドバイスをいただけますか?
元タカラジェンヌ 東小雪さん:セクシュアリティを理由に、結婚式をあきらめないでほしいです。 日本でも結婚式を挙げる同性カップルが増えてきています。もちろんお金がかかることですし、準備にも時間がかかることですから、結婚式を挙げる・挙げないはどちらの選択肢もあると思います。ですが、そもそも選択肢からはずしてしまうのはもったいない! 特に若い方には、同性同士でも結婚式を挙げられるということをぜひ知ってほしいと思います。
取材当日は小雪さんのパートナー・裕子さんも来てくださいました
最初に式場へ「同性でも結婚式が挙げられますか?」と問い合わせたときに少し勇気が要った以外に、同性同士の結婚式準備で特に困ることはなかった、とおっしゃる小雪さん。 結婚式のお写真や、取材中当時のお話を幸せそうに語る小雪さんの素敵な笑顔に、私自身も、あらためて結婚式という体験のパワーを感じさせられました。 小雪さん、ありがとうございました!
編集部/Aki
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本記事は、2015年06月05日公開時点の情報です。情報の利用並びにその情報に基づく判断は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮したうえで行っていただくようお願いいたします。