【引き出物の基本】失敗しない結婚式引き出物の選び方を実例つきでご紹介!
結婚式で参加してくれたゲストに贈る引き出物。限られた予算内で、ゲストが喜ぶアイテムを選ぶのは大変ですよね。今回は、そんな引き出物について徹底解説!引き出物の相場やもらって喜ばれるアイテム、地域による違いから卒花嫁が実際に贈った引き出物の実例まで、ご紹介します。
Contents
結婚式のおもてなしのひとつ!引き出物について
結婚式で、ゲストへのギフトである引き出物。結婚式に出席してくれたゲストへの“感謝のしるし”として、料理と同じくらい大切なおもてなしのひとつです。
カタログギフトや食器、タオルなどの“引き出物”に、バームクーヘンや紅白饅頭などの“引菓子”のほか、鰹節や昆布などの“縁起物”を組み合わせて贈るのが一般的。
そもそも結婚式の引き出物とは、ゲストからいただくお祝い(ご祝儀)のお礼として、両家から渡す記念品のこと。
その記念品とあわせて贈る引菓子は、もともと披露宴の料理の一部をお土産として持ち帰っていたことから始まったもので、結婚式に出席してくれたゲストの家族に喜んでもらうためのお土産です。
さらに縁起物は、引き出物と引菓子の品数が2品だと縁起が悪いことから、3品目として登場したもの。意外にもその歴史は浅く、縁起を祝うための役割があります。
引き出物はどう選ぶ?選び方と贈り分けについて
引き出物の選び方は大きく2つ。
式場の提携ショップから選ぶ方法と、自分たちで用意して式場に持ち込む方法です。
提携ショップから選ぶメリットは、なにより自分たちで調べる手間が省けること。商品を選びやすく、発注~検品までを式場が担当してくれるので、トラブルがあった場合でも式場にフォローをしてもらえる安心感があります。
ただし、選べるアイテムが決まっているので、どうしても定番アイテムになりがちというデメリットも。
持込みをする場合は、ゲストに合うアイテムを自由に選ぶことができるので、オリジナリティが出しやすく、ゲストの満足度が高くなります。
引き出物の価格を抑えられることもありますが、式場によっては持込み料がかかる場合もあるので、成約前に確認しておくと安心。
そのほか、発注作業や商品の検品に手間がかかる点や配送トラブルがあった場合の補償が弱い点も、持込みのデメリットです。
最近はゲストとの関係性やご祝儀額によって、引き出物の内容を変える“贈り分け”を行う傾向に。
しかし、引き出物は本来、ゲスト全員に同じものを渡すことが正式なマナーなので、差が出すぎないように注意しましょう。
また、贈り分けの種類があまりにも多い場合は、間違いが発生するリスクが高くなることから式場に断られる場合も。
事前にプランナーに相談しながら準備を進めるようにしましょう。
気になる引き出物の点数や相場!上司や夫婦に贈る場合はどうするの?
引き出物の点数は、「割り切れない=別れることがない」という意味から、“奇数がよい”といわれていますが、正式なマナーではありません。
ただし、出席するゲストのなかには、数字の縁起を気にする方がいる可能性もあるので、奇数でそろえたほうが安心です。
引き出物の相場は、ひとりあたり5,000~8,500円程度。
親族や友人・同僚には5,000円、上司には8,000円、友人夫婦には友人ひとり分の1.5~1.8倍程度を目安に、それぞれの立場に合った品を贈るのがおすすめです。
親族から事前にお祝いをもらっている場合は、その額のお返しとして見合う品を用意しましょう。多くの方が迷いやすい上司の引き出物額については、友人より多めに設定するのが安心。
あまりにも多くのご祝儀をいただいた場合は、結婚式後に内祝いとしてお返しするようにしましょう。
また、夫婦で参列するゲストには、基本的に夫婦で1つの引き出物を贈れば問題ありませんが、“ご祝儀1つに対して、引き出物1つ”という考えなので、夫婦別々にご祝儀をいただいた場合は、2つの引き出物が必要となるので注意しましょう。
引き出物の地域による違いについて
引き出物は地域による違いが大きいもの。
たとえば、会費制ウエディングが主流の北海道では、引菓子のみを贈るのが一般的です。
また具体的な内容を見てみても、東北地方は引き出物として寝具を、香川県では縁起物として嫁入り菓子と呼ばれる「おいり(カラフルなポン菓子)」を、栃木県では同じく縁起物として「赤飯」と「鰹節」を必ず入れるなど、エリアならではの特徴が見られます。
結婚式が豪華といわれる地域では、引き出物の点数が多い傾向にありましたが、最近は5品や7品を贈る地域も減少。
しかし、名古屋では3~5品を贈る風習が残っています。
引き出物は両親にも贈る?
引き出物で迷うのが、両親にも引き出物を用意すべきかということ。
基本的には、両親が結婚式の主催者の立場であるか否かで判断することが多いようです。
例えば、両親から費用の援助があったり、招待状を親の名前で出したりする場合は新郎新婦と同じ主催者側なので、引き出物を用意しないことになります。
実際に、結婚式を挙げた方に「両親にも引き出物を贈ったか」というアンケートをとったところ、次の結果になりました。
アンケート実施期間:2021年3月3日~3月9日
調査対象:ウエディングパークグループ会員
有効回答数:368件
両親に引き出物を贈った方が6割と多数派ですが、贈っていない方も4割いるので、どちらが一般的とは言い難い結果です。
ただし、贈っていない方でも「引き出物とは別のものを贈った」という意見もあったので、何もなしが気になる方は別のプレゼントするのも良いかもしれないですね。
もしくは、事前に引き出物が必要か両親に確認する方法もおすすめです!
引き出物選びのポイントは?人気の引き出物と避けたい引き出物について
引き出物といえば、食器やタオルといった誰でも使いやすいアイテムや、ゲスト自身に好みのアイテムを選んでもらえるカタログギフトが定番です。
カタログギフトは、食料品中心のグルメカタログや雑貨屋のおしゃれな小物カタログなど、ゲストの趣向や引き出物の予算に合わせて選べることも人気の理由。
最近は、引き出物を後日ゲストの元へ贈り届ける、引き出物宅配サービスも人気です。
喜ばれる引き出物
引き出物選びに迷ったときに参考にしたい、【ゲストに喜ばれる引き出物のポイント】は3つ!
1.いくつあっても困らない、実用的なもの
2.記念品としてふさわしい、高級感のあるもの
3.自分がもらってうれしいもの
実用的なアイテムは喜ばれやすいのでおすすめです。
また、いくら高価なアイテムでも、安く見えるものは避ける方が無難。迷ったときは、自分がもらってうれしいかどうかを考えて判断しましょう。
避けた方がよい引き出物
反対に、【避けた方がよい引き出物のポイント】はこの3つ!
1.ふたりの名前や写真入りの品
2.大きくて重すぎるもの
3.個性が強すぎるものや趣味趣向に偏りがあるもの
“名前や写真入りのアイテム”は、新郎新婦の自己満足であることが多く、ゲストにとっては使いづらいので避けましょう。ゲストが持ち帰るのに大変な、大きくて重いものも好まれません。
また、引き出物は大勢の人に贈るので、自己主張が強すぎるものもNG!
引き出物は、ゲスト全員に喜んでもらうことはほぼ不可能。流行のものを選ぶとほかの結婚式ですでにもらっている場合もあるので、引き出物選びに迷った時は、「いくつあっても困らない」ものを選ぶようにしましょう。
なによりも、"ゲストのことを思いやったものを選ぶこと"で感謝の気持ちを伝えることが大切です。
卒花に聞く!実際に贈った引き出物
引き出物選びのポイントがわかったところで、気になるのは「みんなはどんな引き出物を贈っているのか」ということ。 そこで、卒花嫁たちが“実際にゲストに贈った引き出物”をご紹介します!
引き出物実例
親族・上司向け
万人ウケのカタログギフトがやっぱり安心!
「カタログギフトで、どの世代のニーズにもこたえられるようにしました。ご家族をもつゲストが多かったので、引菓子と縁起物は、ファミリー向けのものを選びました。」(大阪府・20代後半)
【贈ったゲスト】親族・上司
【内容】カタログギフト・焼き菓子・うどん
【金額】約10,000円
~親族・上司以外に贈ったもの~
【贈ったゲスト】友人(男女)
【内容】タオル(今治タオル)・バームクーヘン
【金額】約4,000円
縁起物は、出身地のご当地名物でユニークに
「親族にはきちんとしたものを贈りたかったので、引き出物はブランド食器に。引菓子は、新郎側の親族にはチョコレートケーキを贈りましたが、新婦側の甥っ子はチョコレートが嫌いだったので、バームクーヘンに変更しました。縁起物は、定番の梅干しと新郎の出身地の名物菓子を選びました。」(愛知県・30代前半)
【贈ったゲスト】親族(新婦側の姉妹)
【内容】ブランド食器・バスタオル・紅白バームクーヘン・梅干しセット・バリ勝男くん(ご当地のお菓子)
【金額】約12,000円
~親族(新婦側の姉妹)以外に贈ったもの~
【贈ったゲスト】親族(新婦側※姉妹以外)
【内容】ブランド食器・バスタオル・バームクーヘン・鰹節・梅昆布茶
【金額】約12,000円
【贈ったゲスト】親族(新郎側)
【内容】ブランド食器・バスタオル・チョコレートケーキ・梅干し・バリ勝男くん(ご当地のお菓子)
【金額】約12,000円
【贈ったゲスト】上司
【内容】カタログギフト(食器付き)・フェイスタオル・チョコレートケーキ・うどん・バリ勝男くん(ご当地のお菓子)
【金額】約8,000円
【贈ったゲスト】仕事関連のゲスト(新婦側)
【内容】カタログギフト(食器付き)・チョコレートケーキ・うどん
【金額】約6,000円
【贈ったゲスト】友人(新郎新婦共通)
【内容】カタログギフト(食器付き)・チョコレートケーキ・バリ勝男くん(ご当地のお菓子)
【金額】約6,000円
【贈ったゲスト】友人(新婦側の一部)
【内容】カタログギフト(ブランド)・フェイスタオル・焼き菓子
【金額】約6,000円
女性の友人向け
あるとうれしい高級メイクブラシは、満足度も◎
「質のよいメイクブラシは、あまり自分で買わないと思ったので、選びました。」(東京都・30代前半)
【贈ったゲスト】友人(女性)
【内容】メイクブラシセット(熊野筆)・バームクーヘン
【金額】約4,000円
~友人(女性)以外に贈ったもの~
【贈ったゲスト】親族・上司
【内容】ブランド食器・バームクーヘン・梅干しセット
【金額】約7,000円
【贈ったゲスト】友人(男性)
【内容】タンブラー・バームクーヘン
【金額】約4,000円
男性の友人向け
“あると便利”なアイテムは喜ばれそう!
「折りたたみ傘は、“自分では買わないけど、あったら便利”という理由で彼が選びました。引菓子は、式場のホテルでしか購入できないパウンドケーキに。縁起物は見た目もかわいい鯛型のお吸い物にしました。」(東京都・20代後半)
【贈ったゲスト】友人(男性)
【内容】折りたたみ傘(バーニーズニューヨーク)・パウンドケーキ(ザ・リッツ・カールトン ホテル)・鯛型のお吸い物
【金額】約5,000円
~友人(男性)以外に贈ったもの~
【贈ったゲスト】親族・主賓
【内容】カタログギフト(バーニーズニューヨーク)・パウンドケーキ(ザ・リッツ・カールトン ホテル)・鯛型のお吸い物
【金額】約8,000円
【贈ったゲスト】友人(女性)
【内容】食器(バーニーズニューヨーク)・パウンドケーキ(ザ・リッツ・カールトン ホテル)・鯛型のお吸い物
【金額】約5,000円
消耗品のタオルは、誰でも使えるから安心!
「引き出物は誰でも使えるものが良いと思い、タオルセットに。親族にはブランドロゴが入った大きい品物を贈りたかったので、タオルケットにしました。焼き菓子は、式場レストランのものが美味しかったので選びました。」(東京都・20代後半)
【贈ったゲスト】友人(男性)
【引き出物内容】タオルセット・焼き菓子
【金額】約4,000円
~友人(男性)以外に贈ったもの~
【贈ったゲスト】親族(新婦側の父方)
【内容】タオルケット(DAKS)・焼き菓子
【金額】約10,000円
【贈ったゲスト】親族(新婦側の母方)
【内容】ブランド食器(イッタラ)・焼き菓子
【金額】約5,000円
【贈ったゲスト】友人(女性)
【内容】メイクブラシ・ハンドタオル・焼き菓子
【金額】約4,000円
【贈ったゲスト】先輩(女性)
【内容】ミニバック&ハンドタオルセット(フェイラー)・焼き菓子
【金額】約6,500円
夫婦の友人向け
夫婦ゲストには、ふたりで使えるアイテムを!
「いくつあっても困らないものが良いと思い、質のいい夫婦箸を選びました。引菓子は、みなさん共通の焼き菓子、縁起物は、鰹節よりも気軽に食べられるお茶漬けにしました。」(京都府・20代後半)
【贈ったゲスト】友人(夫婦)
【引き出物内容】夫婦箸・焼き菓子・お茶漬け
【金額】約7,000円
~友人(夫婦)以外に贈ったもの~
【贈ったゲスト】親族(新郎側の祖父母)
【内容】バスタオル&タオルセット(今治タオル)・焼き菓子・お茶漬け
【金額】約12,000円
【贈ったゲスト】親族(新婦側の祖父と姉)
【内容】カタログギフト・焼き菓子・お茶漬け
【金額】約12,000円
【贈ったゲスト】親族(新婦側の妹)
【内容】カタログギフト・焼き菓子・お茶漬け
【金額】約7,000円
【贈ったゲスト】上司
【内容】バスタオルセット(今治タオル)・焼き菓子・お茶漬け
【金額】約7,000円
【贈ったゲスト】友人(男性)
【内容】シューズキーパー・焼き菓子・お茶漬け
【金額】約5,000円
【贈ったゲスト】年上の友人(男性)
【内容】バスタオル(今治タオル)・焼き菓子・お茶漬け
【金額】約5,000円
【贈ったゲスト】友人(女性)
【内容】バスタオル(今治タオル)・焼き菓子・お茶漬け
【金額】約5,000円
引き出物の内容を上司と友人で分ける方や、男女で分ける方、家族構成を考えて分ける方など、贈り分けのパターンは、本当に人それぞれ。
今回のアンケートでは、ゲストのことを想って、細かく贈り分けをされている方が多かったのが印象的でした!
迷ったらチェックしたい!【引き出物のよくある質問集】
引き出物の基礎と実際に卒花嫁たちが贈った引き出物セットについてご紹介しまいした。
最後に、花嫁が悩みがちな引き出物の<よくある質問>について解説します♪
Q:縁起物は必ず入れるべき?
A:必ず入れる必要はありません。ただ、年配の方は縁起物が入っていないことを不思議に思う方もいるので、縁起物を贈る予定がない場合でも、年配の方のみ贈るなどの配慮がおすすめ。
Q:縁起物の代わりに引菓子を2つ入れてもよい?
A:もちろんOK!新郎新婦、それぞれの地元のお菓子をひとつずつ入れる方もいます。
Q:引き出物は、自分たちの両親・きょうだいにも贈るの?
A:両親は主催側の人間なので、基本的に引き出物は用意しません。ただし、最近は新郎新婦のみが主催側という場合も増えてきたので、両親に渡しても特に問題はありません。きょうだいに対しても同じですが、すでに家族を持っているきょうだいはゲストにあたるので、引き出物を用意しましょう。
Q:引き出物として金券を贈るのはあり?
A:理由によりますが、基本的にはNGです。金額があまりにも明確になってしまうので、それを不快に感じるゲストがいる可能性も考慮しましょう。
Q:当日のお料理や演出を豪華にして、引き出物をなしにしてもよい?
A:会費制ウエディングでない限り、引き出物は必ず用意するべきです。
引き出物の基本から実例、よくある質問まで、ボリュームたっぷりの内容でご紹介しました!引き出物を選ぶとき、その内容や金額、組み合わせに迷った時は、ぜひ参考にしてみてください♪
監修(※実例以外)/VOUS BRIDAL代表
鶴野蒔咲子
1983年 長崎県長崎市生まれ。音楽高校・芸術大学を卒業後、舞台や音楽業界で活動し、結婚式の聖歌隊をしたことがきっかけでウェディング業界へ転職。ゲストハウス、専門式場、ウェディングプロデュース会社のウェディングプランナー、その後カリフォルニアのプランナーアシスタントの経験を経て、2013年 フリーウェディングプランナーへと転向。
2015年1月フリースタイルウェディングのプロデュース「VOUS BRIDAL」を設立。イベントスタジオ、レストラン、ホテル、邸宅、アウトドア、レジャー施設、観光施設、海外など結婚式場以外のさまざまな場所でも内装から企画、すべてオリジナルで手掛ける。現在、首都圏を中心に関西・九州・海外で活動中。
■VOUS BRIDAL
(イラスト:SAAYA MASAKI)
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本記事は、2021年07月05日公開時点の情報です。情報の利用並びにその情報に基づく判断は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮したうえで行っていただくようお願いいたします。