結婚にまつわる手続き徹底解説*退職・転職する方必見【仕事/保険/税金編】チェックリストつき

結婚にまつわる手続き徹底解説*退職・転職する方必見【仕事/保険/税金編】チェックリストつき

結婚を機に、働き方を変えるという方も多いのではないでしょうか。結婚後の保険や税金の手続きは、お金に直結する大事なことなので必ず把握しておきたいところ。ここでは【仕事/保険/税金】について解説します。

2021.09.02 更新

Contents

失業給付、健康保険や年金…、私に必要な手続きは?

結婚をすると、さまざまな手続きが必要になりますが、ここでは【仕事/保険/税金】について説明します。
パートナーの働き方や、退職後に就職する予定はあるのかによっても必要な手続きは変わってきます。まずは、自分に必要な手続きを把握しましょう。

「被扶養者」になるかどうかは、主に年間収入で決まります。扶養は「社会保険」と「税金」で基準が違うので要注意。
まず社会保険において、夫の扶養に入れるかどうかは自分の年間収入が将来に向かって130万円未満 であることがひとつの目安。
ただし、従業員が501人以上の会社(2017年4月からは500人以下の会社で労使合意がある場合も)は、次のすべての要件を満たす場合は、短時間労働者として社会保険に加入することになります。
結婚退職してパートで働く場合は注意しましょう。

1)1週間あたりの決まった労働時間が20時間以上であること
2)1か月あたりの決まった給与が88,000円以上であること
3)雇用期間の見込みが1年以上あること
4)学生でないこと(夜間、通信、定時制の学生は対象)

次に税金についてです。「103万の壁」という言葉を耳にしたことがある方も多いと思いますが、103万円は所得税の課税が始まり、また配偶者控除が配偶者特別控除に切り替わる金額です。詳しくは下記を参照して。

*ちょっと注目!*
本人が失業給付を受給する場合にご注意! 社会保険において扶養対象になるかを判断するとき、失業給付は「収入」とみなされるため、失業給付(1日あたり3,611円超)をもらっている間は、「健康保険」「公的年金」は配偶者の扶養に入れません。
失業給付の受給開始前に給付制限期間がある場合、給付制限期間中は被扶養者となれる場合もありますので、健康保険組合や年金事務所に確認を。

【1】失業給付を申請する

【必要なもの】
・離職票(1・2)
・運転免許証などの身元(実在)確認書類
・個人番号確認書類(マイナンバーカード、通知カード個人番号の記載がある住民票のいずれか1種類)
・顔写真2枚
・印鑑(スタンプ印は不可)
・本人名義の預金通帳(インターネットバンク、外資系金融機関以外のもの)

【手続きステップ】
STEP1.離職票を受け取り、ハローワークに書類を提出

前職の会社から離職票が届いたら住まいを管轄しているハローワークに行き、離職票などを提出します。求職申込書がもらえるので、その場で必要箇所を記入します。
通帳は、失業給付を振り込んでもらいたい口座のものを用意しましょう。印鑑は書類作成の際に訂正印として使います。

*ちょっと注目!*
結婚を機に退職した場合は基本的に「自己都合」での退職になります。しかし例えば遠距離恋愛をしていて、結婚後に通勤が困難になって仕事を辞めざるをえなかったというような場合には「正当な理由のある自己都合による退職」とみなされ、「特定理由離職者」扱いとなる場合もあります。
「特定理由離職者」と認められると、受給条件や受給タイミングが変わる場合があるのでハローワークの窓口で相談を!

STEP 2.受給資格が決定、雇用保険説明会に参加
求職の申込みを行い、受給条件を満たしている場合に受給資格者証をもらえます。約1週間後に雇用保険説明会が開催されるので、指定された日に会場へ向かいましょう。雇用保険説明会を欠席すると失業給付を受給できなくなるので要注意。

*ちょっと注目!*
・失業給付を受給できるのは、原則離職日以前の2年間に、雇用保険の「被保険者期間」が12か月以上ある場合(特定受給資格者及び特定理由離職者を除く)。
・「被保険者期間」は、離職日から1か月ごとに区切っていった期間に、賃金支払いの基礎となった日数が1か月のうち11日以上ある場合、「1か月」とカウントされます。

STEP 3.求職活動
原則、4週間に2回以上の求職活動を行う必要があります。求人への応募や職業相談・紹介セミナーなどが含まれますが、内容は地域によって異なる場合があるので、ハローワークで確認しましょう。

STEP 4.ハローワークで認定手続
初日に発行される「受給資格者証」を持って、指定された日にハローワークへ行きましょう。これまでの求職活動の内容を記した「失業認定申告書」を忘れずに持っていきましょう。
無事手続きが完了したら、後日失業給付が振り込まれます。

【2】国民健康保険または健康保険の任意継続/国民年金第1号の手続きをする

退職をして配偶者の被扶養者にならない方や配偶者が自営業の方は、年金については「国民年金第1号」の手続きが必要です。また健康保険については、これまで加入していた健康保険の任意継続手続きか、国民健康保険への加入手続きが必要になります。

<国民健康保険/国民年金第1号の手続き>
国民健康保険と国民年金第1号の手続きは、市区町村の役場で行うことができます。年金のみの手続きの場合は、年金事務所でも手続きが可能です。

【必要なもの】
・退職日が証明できる書類(健康保険資格喪失証明書、離職票、退職証明書など)
・年金手帳
・印鑑 ※各自治体に事前に確認すると安心です。

【手続きステップ】
STEP1.必要書類を受け取る

 退職した会社から、退職日が証明できる書類(健康保険資格喪失証明書、もしくは離職票や退職証明書)をもらいましょう。

STEP 2.役所に書類を提出
退職日の翌日から14日以内に、退職日が証明できる書類、年金手帳、印鑑を持って市区町村の役所へ行きます。その場で必要な書類に記入、押印して提出します。

STEP 3.国民健康保険料、国民年金保険料を納付
初回は、納付書が郵送で届きます。コンビニや郵便局、銀行などで納付できます。 2回目からは引き落としに変更も可能。年金事務所や郵送で変更の申請ができます。

<健康保険の任意継続被保険者手続き>
会社を辞めても、引き続き個人でこれまでと同じ健康保険組合に加入できる任意継続被保険者制度があります。
ただし、届出などは自分で行う必要があり、健康保険料は会社負担分がなくなるため、原則として今までの2倍(上限あり)かかります。
また期間は最長2年までで、転職先の会社で健康保険に加入する場合などを除き、任意でやめることができません(被扶養者になるためという理由はNGなので注意しましょう)。
結婚退職後にフリーランスなどで働く場合、配偶者が自営業で国民健康保険に加入している場合などの選択肢のひとつといえるでしょう。
また任意継続被保険者になるためには、下記の要件を満たす必要があります。

1)退職日までに継続して2か月以上の被保険者期間があること。
2)退職日の翌日から20日以内に申請すること。
※任意継続被保険者になる場合でも、国民年金については別途手続きを行う必要があります。

【必要なもの】
・健康保険任意継続被保険者資格取得申出書(被扶養者がいる場合は「健康保険被扶養者(異動)届」も必要)

【手続きステップ】
STEP1.必要書類を準備する
健康保険組合から郵送で取り寄せます。サイトからダウンロードできる場合もあります。

STEP2.必要書類に記入
健康保険組合のサイトなどに手引きがあれば参考にし、必要事項を記入して押印します。

STEP3.健康保険組合に書類を提出
「健康保険任意継続被保険者資格取得申出書」を提出して、保険料を納付します。 初回保険料の納付は、保険者の指定した日。その次からは納付書か口座振替により納付します。

【3】健康保険/国民年金第3号の手続きをする

【必要なもの】
・健康保険被扶養者(異動)届
・国民年金第3号被保険者資格取得届
・年金手帳
・印鑑

 【手続きステップ】
STEP 1.必要書類をもらう
配偶者の勤務先から、健康保険被扶養者(異動)届、国民年金第3号被保険者資格取得届をもらいます。

STEP 2.必要書類に記入
健康保険被扶養者(異動)届、国民年金第3号被保険者資格取得届の必要項目に記入し、押印します。

STEP 3.配偶者の勤務先に提出
扶養になって5日以内に、配偶者の勤務先へ健康保険被扶養者(異動)届と、国民年金第3号被保険者資格取得届を提出しましょう。

【4】確定申告の手続き

【必要なもの】
・確定申告書
・印鑑、申告に応じた添付書類一式(源泉徴収票、保険料の控除証明書など)

【手続きステップ】
STEP1.確定申告書を手元に準備
税務署で直接もらうか、国税庁にHPからダウンロードをして確定申告書を手元に準備します。

STEP2.確定申告書を記入
税務署や国税庁のサイトにある手引きを参考にして、必要事項を記入します。国税庁のサイトには、書類作成をサポートしてくれる「確定申告書等作成コーナー」もあるので利用すると◎ 初めてでよくわからないという方は、住所地を管轄する税務署に相談に行くのがおすすめです。

STEP3.税務署に書類を出す
申告内容に応じた添付書類を準備し、記入済の確定申告書を税務署に提出したら手続き完了!還付金の振り込みや納付書が届くのは1~2か月先です。

チェックリストを使ってもれなく手続きを!

いかがでしたか?結婚を機に退職する方にとっては、慣れない手続きの連続でとまどってしまうことも。チェックリストを上手に使って、やるべきことを管理しながら進めていきましょう。ダウンロードして使ってみてくださいね♪

チェックリストのダウンロードはこちら

監修/グレース・パートナーズ社労士事務所 社会保険労務士、人事労務コンサルタント 佐佐木由美子
企業の人事労務コンサルティングをはじめ、社会保険手続きに関するアドバイスや雇用問題に取り組む。日経ウーマンオンライン、東洋経済オンライン等のメディアでも活躍。
 ※「【4】確定申告の手続き」部分を除く

(イラスト:今井夏子)

本記事は、2021年09月02日公開時点の情報です。情報の利用並びにその情報に基づく判断は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮したうえで行っていただくようお願いいたします。

ウエディングパーク編集部
ウエディングパーク編集部

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