【結納ダンドリ】準備~当日まで流れを徹底解説!イマドキ結納事情も丸わかり◎
結婚することを約束する儀式である「結納」。最近は、「顔合わせ食事会」で済ませるカップルも多くなりましたが、伝統的な“婚約”のスタイルである「結納」も、ぜひ一度検討してみては?
今回は、ちょっと難しそうなイメージのある「結納」の準備~当日の流れまでを徹底解説!服装や席次、当日の注意事項などを最近の結納事情とあわせて、ブライダルスペシャリストの鈴木一彌さんにお伺いしました。
Contents
【そもそも結納ってなに?】結納の意味
結納は、約1700年前から続く、日本の伝統的な儀礼のひとつ。新郎新婦、両家を結ぶ儀式で、“結婚することを約束する儀式”にあたり、結婚式まで続く一連の「婚礼」の儀式のはじまりとされています。
結納の流れは、地域や家の風習によって異なりますが、儀式は15分程度で結ばれるシンプルなものです。
【結納ってしたほうがいいの?】最近の結納事情について
「お金がかかる」、「準備に時間がかかる」といったイメージから、最近は結納を行わずに「顔合わせ食事会」だけを行うカップルが多いのが現状。結納をするかしないかは、家ごとの風習や歴史が絡んでくるものなので、本人同士で勝手に決めず、両家でしっかり話し合ってから決めるようにしましょう。
近年、結納のスタイルも変化してきています。本来の結納は、両家の自宅で行うスタイルでしたが、最近は結婚式場や料亭で行うのが一般的。昔のように、仲人をあえて立てることも少なくなってきているため、新郎新婦が進行役になることが多いようです。
【結納をすることが決まった!なにをすればいいの?】結納準備のダンドリ
【1】日程と場所を決める
ホテルや料亭では、結納用の食事プラン(結納パック)が用意されている場合も。料金やプラン内容をしっかり確認し、両家がアクセスしやすい場所を選ぶようにしましょう。
また、結納は両親だけでなく、きょうだいも参加するものなので、全員の都合がよい日程で調整を。一般的には結婚式の3ヶ月~6ヶ月前に行うことが多いようです。
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【2】結納スタイルを決める<結納品の数・結納金の金額・婚約記念品など>
正式結納、略式結納、関東式、関西式など、古くから言われている結納のスタイルありますが、基本的には両家のしきたりに合わせるようにすれば問題ありません。
過去に親族が実施したことのある形式を確認し、結納品(※1)の数や結納金(※2)の金額を相談しましょう。お互いに無理をしない格にそろえるのがポイントです。
当日の手土産を用意するかどうかも、事前にすりあわせておくとトラブルになりにくいです。
※1結納品…結納時に相手へ送る縁起物のこと。長寿・円満・子宝など繁栄を象徴するもので、“長熨斗(ながのし)”や“末広(すえひろ)”、“友白髪(ともしらが)”などがある。
※2結納金…結納時に送る現金のこと。割り切れない奇数額が良いとされています。
【3】結納品を準備する
結納品は、デパートや専門店で購入できます。用意する結納品の格をそろえるため、両家が同じお店で購入するのがベスト。事前に相談した品数の“結納セット”を購入すれば問題ありません。
【4】当日の流れを確認する<席次・口上・結納品の持ち方>
誰がどんな役割をするのか、事前に確認しておきましょう。席次や手順も、現場スタッフの方とすりあわせておくことをおすすめします。
また、なにを言うか、口上も当日までに考えておくこと。暗記はしなくてもよいですが、練習はしておくと当日スムーズです。
ちなみに、結納品セットはくずれやすい造りになっているので、事前に一度組み立て、渡すときにくずれない持ち方を確認しておくと安心!
【どんな服を着て行けばいいの?】結納の服装
最近は、紋付き袴やモーニングなど、正礼服で結納を行うカップルは少なくなりました。男性はスーツ、女性はきれいめワンピースのような服装でOK。あくまでもお祝いの席なので、服装が暗くなりすぎないように注意しましょう。
【1】新郎新婦の服装例
<女性>
・キレイめのワンピースでもOK。明るめの色で華やかにすると◎。
・和室の場合、立ったり座ったりするので、スカート丈はひざが隠れる長さに。
・お辞儀をする場面が多いので、髪の毛は、顔にかからないようにまとめ、アクセサリーも短めに。
<男性>
・スーツを着用。
・ネクタイは華やかなものでOK。
・シャツは、白色。(色ものや柄入りは避ける)
・和室の場合、靴を脱ぐため、靴下は汚れのない新品を用意する。
【2】両親の服装例
<母親>
・きれいめのワンピースやセットアップ。新婦より派手にならないことと、スカート丈にも注意。
・コサージュやブローチなど、アクセサリーで華やかにするのも◎
<父親>
・スーツを着用。ネクタイは、新郎より派手にならないようにする。
・シャツは、白色。(色ものや柄入りは避ける)
<あわせて注意したいポイント>
・靴は、しっかりと磨いておくこと。また、靴が並んでいると靴の中敷きも目に入るので、汚れがないように準備しておくと◎。
・つま先やかかとなど、靴下の生地が薄くなってしまっている場合があるので、新しい靴下を履くようにする。
・女性は、部屋に入るときにストッキングの上から白い靴下を履くようにする。
※これから結納品を受け渡す床に、外から履いてきたままの状態で部屋に入るのは、マナー違反のため。
【どの順に座るべき?】結納の席次について(和室の場合)
結納は、和室で行うことが多いため、和室の席次を例として説明します。 床の間に近い側から、【本人⇒父親⇒母親⇒きょうだい】 と座るのが一般的。
女性側が男性側へ嫁ぐ場合は、男性が上座に、男性が婿入りする場合は、女性側が上座にあたるようにしましょう。
ドアの位置や部屋の形によって、上座の位置は変わるので不安な場合は、事前に会場のスタッフに確認することをおすすめします。
【ついに結納当日!】結納の進め方
準備が整ったところで、いよいよ当日の流れです。<女性側が男性側へ嫁ぎ、本人同士が執り行う場合>を例に、結納の進め方を解説します。
結納中は座布団には座らないので、要注意!
【1】<新郎父親>挨拶をする
「この度は、〇〇家と〇〇家に素晴らしいご縁をいただき、ありがとうございます。本日はお日柄もよく、結納の儀を執り行わせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。」
【2】<新郎>結納品を渡す
「〇〇家より、結納の品でございます。幾久しく、お納めください。」
【3】<新婦>結納品を受け取る
「ありがとうございます。幾久しく、お受けいたします。」
【4】<新婦>受書と結納品を渡す
「こちらが受書でございます。ご確認ください。〇〇家より、結納の品でございます。幾久しく、お納めくださいませ。」
【5】<新郎>受書と結納品を受け取る
(内容を確認する)
「お受け取りいただきまして、ありがとうございます。幾久しく、お受けいたします。」
【6】<新郎・新婦>締めの挨拶
「本日はありがとうございました。今後とも、幾久しくよろしくお願いいたします。」
「こちらこそ、ありがとうございました。今後とも、幾久しくよろしくお願いいたします。」
【7】<新郎>締める
「これにて、私どもの結納の儀が成立いたしました。」
※当日スタッフがいる場合でも、進行は本人同士で進めることが多いので、口上は事前に練習しておくと安心です。
【最終確認!】結納の注意事項
最後に、細かい注意点をご紹介しておきましょう。ここまでチェックすればもう完璧です!
<注意点>
・結納品は、紙袋やビニール袋などは使用せず、かならず風呂敷に包んでもっていく。
・結納品を持っていく際は、風呂敷には結び目をつくらない。(結び目を「ほどく」ことは、別れを連想させるため)
・帰りは、風呂敷を結んで帰る。
・直前になって慌てることのないように、結納金を預けるタイミングは、事前に会場に確認しておく。
・「別れる」、「切れる」、「離れる」など、“忌み言葉”は使わない。
結納は、ひとつずつ両家で相談して、準備を進めていくもの。お互いの家庭の考えや意見を知るのに最適な機会なんです。初めて両家で行う正式な儀式でもあるので、緊張しながら進めるのも楽しみのひとつ。
結婚式準備の予行練習にもなるので、ぜひ取り入れてみては?
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(イラスト:宮阪奈々子)
記事制作協力/日本ブライダルスペシャリスト協会代表・GINZAFiore代表
鈴木 一彌(すずき ひとみ)
プランナー、司会、ウエディングデザイナーとして35年ブライダル業界に携わる。「結婚式は儀礼である。」をポリシーに伝統、風習を大切にプロデュースを行う。新郎新婦だけでなく、両親の相談にものることで、結婚後もご両家と親密に交流。後進の育成の為大学、専門学校で14年講師を勤める。ブライダル業界知識向上の為日本ブライダルスペシャリスト協会発足。
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本記事は、2019年07月31日公開時点の情報です。情報の利用並びにその情報に基づく判断は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮したうえで行っていただくようお願いいたします。