【ファッションのプロによる連載企画 第二章】 第1回 タキシードの装い術
<<男の嗜みとして、正式なタキシードの装い方を知るべき>>
こんにちは。『FORZA STYLE』編集長の干場義雅です。第一章で連載した干場的ウェディングスタイルが大人気との声をいただきまして、いよいよ第二章がスタートすることに! そこで、40代の男性なら一着は持っておきたい正装のタキシードから二次会用のアイテムまで指南いたします。今回は、ショップで実際に購入できるものばかりを集めました。
嗜みのある男性として揃えておくべき逸品を紹介しつつ、装うコツを伝授致します。まずは正統派のタキシードからスタートです!
■最高級のタキシードが一着あれば、いつでも男としての自信がつく
タキシードスーツ¥708,000
シャツ¥148,000
ボウタイ¥22,000
すべてエルメネジルド ゼニア
最近のウェディングスタイルは多様化していますが、格式あるホテルでのフォーマルな挙式もまだまだ人気のスタイル。場所だけでなく、セレブなど出席者の顔ぶれに合わせることも参列するマナーとなることを忘れてはいけません。 タキシードの場合も、大切なのはT.P.P.O.(Time,Place,Person,Occasion)をわかった上で着こなすこと。基本は、夜6時以降。そして、タキシードは、タキシードスーツ、ウィングカラーのシャツ、蝶ネクタイ、カマーバンドのセットがフルドレスと言われています。まずは、なるべく正統的でベーシックなものを購入し、慣れてきたら上級者が選ぶようなタキシードを着るといいでしょう。 エルメネジルド ゼニアのタキシードは、究極に控えめのシルエットの中に、ピークドラペルと側章の光沢が華やかさを添えてくれます。そして、ステファノ・ピラーティが手がけたさりげないデザイン(とくにボタンのない袖口)は、エレガントな中に“こだわり”を感じさせてくれます。ボルドーがかった蝶ネクタイが個性を演出してくれるはずです。
■最小限の光を味方に変えてくれるエナメル靴
エナメルシューズ¥64,000
カルミナ/ユナイテッド アローズ
タキシードは、夜18時以降に着るのが正解。夜のシーンで僅かなライトの光を最大限に輝かせるために部分的に襟や側章など光沢のある素材が使われているのです。足元は、エナメルの靴がお勧めです。もちろん、デザインは控えめのストレートチップであることがベスト。美しいシルエットが“本物を知る男性”としての印象を確立させてくれるでしょう。
■見えない箇所にこそ、男としての嗜みの微差がでる
サスペンダー¥9,800
ロングホーズ¥3,600
ともにバーニーズ ニューヨーク
イギリスでスーツ文化が定着して以来、男性の白いシャツは下着とされてきました。現在その解釈は変わりつつあるものの、ジャケットを脱ぐ、という行為は正式な場所では行わないのが通常。とはいえ、一瞬でもそんなシーンが訪れたら、正装としての意識がそこに見えてしまうことでしょう。今ではお洒落アイテムに進化したサスペンダーや、着席時にパンツの裾から足の素肌が見えないロングホーズの靴下は、装うことを知る男性にとっては欠かすことのできない必須アイテム。見えない箇所にまで気を使えるからこそ、自信が持てるタキシードスタイルが完成するのです。
<<素材の黒が上質、品格、男らしさの全てを表現する>>
■控えめな光沢で、より内面際立たせたいならダンヒル
タキシードスーツ¥232,000
シャツ¥53,000
ボウタイ¥17,000
カマーバンド¥30,000
すべてダンヒル/リシュモン ジャパン
タキシードのラペルは、大きく分けて燕尾服が簡略化したピークドラペル(剣衿)と、スモーキングジャケットの流れからくるショールカラー(へちま衿)の2つがあります。紳士の国イギリスで現在主流とされているのがピークドラペルで、控えめで光沢のある素材の中にシャープでいながら、嗜むことを知る男性の顔を作り上げてくれます。燕尾服を原点とする歴史から進化を遂げる一枚を持つことで、男性としての格が上がるものです。小物も含めワンブランドで統一することにより、最上級なトータルスタイルを得ることができるのです。
■袖口のチラリズムが実は一番目に留るポイント
スタッズ¥22,000
カフリンクス¥42,000
ともにダンヒル/リシュモン ジャパン
カフリンクスは、フォーマルスタイルの中で数少ないアクセサリーのひとつ。袖口からちらりと覗かせる黒蝶貝やオニキスの素材は上質感を醸し出してくれるので欠かさずに着用しましょう。ベースの素材はもちろんホワイト。あくまでも控えめに、はここでも変わりません。シャツに取り付けるスタッズボタンは両穴式。正式なシャツは上前立・下前立の両方にボタン穴を開けた両穴になっているので使用しましょう。黒のスタッドボタンは比翼があるタイプ用。ボタンさえも隠すタキシードなので、見えないように止めるのが流儀なのです。
■タイとカマーバンドは同ブランドで素材を揃えるのが常識
ボウタイ¥17,000
カマーバンド¥30,000
ともにダンヒル/リシュモン ジャパン
タキシードの装いになくてはならないのが蝶ネクタイとカマーバンド。パーティなどでよくドレスコードとされる“ブラックタイ”は黒の蝶ネクタイからきているのは周知の事実です。いざという時に必要になりますので、カマーバンドとともに揃えておくと安心です。蝶ネクタイとカマーバンドはグログランやサテン地など光沢のあるものが基本。シングルのジャケットの時にベストの代わりとして使用されるもので、ダブルではあまり使用しません。タキシードの常識として覚えておくといいでしょう。
【問い合わせ】 ゼニア カスタマーサービス 03-5114-5300 バーニーズ ニューヨークカスタマーセンター 0120-137-007 ユナイテッド アローズ 原宿本店 メンズ館 03-3479-8180 リシュモン ジャパン 03-4335-1755 Photo:MITSUTOSHI WATANABE TEXT:MARIKO IKEDA Styling Masaki Saruwatari
※本コラムは「FORZA STYLE(フォルツァ スタイル)」との連動企画です。
■「FORZA STYLE(フォルツァ スタイル)」
ファッションディレクター・干場義雅氏責任編集による、知的でセクシーな”知色人”になるためのデジタルビデオマガジン!旬で役立つ、ミドルエイジ男性のためのファッション&ライフスタイル情報を配信します
本記事は、2016年07月12日公開時点の情報です。情報の利用並びにその情報に基づく判断は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮したうえで行っていただくようお願いいたします。