感謝の気持ちが伝わる、お歳暮に添える送り状の書き方のまとめ5選
年末が近づきお歳暮の季節になりました。最近では、店頭から直接配送してもらうのが一般的になりましたが、日頃の気持ちを伝えるためには、直接持参してご挨拶するのが一番です。でも、相手が遠方に住んでいたり、時間の都合がつかなかったりで、直接気持ちを伝えるのが難しい場合には、感謝の気持ちを込めた送り状を添えましょう。ここでは、お歳暮に添える送り状の書き方をご紹介します。
1、 お歳暮の基本事項
お歳暮は、相手に今年1年間お世話になったことに対するお礼の気持ちを込めて贈るものです。一般的には12月の初め頃から20日頃までに送るとされていますが、「お年賀」として年明けに新年のご挨拶を兼ねて送る場合もあります。 お歳暮は感謝の気持ちを表す贈り物なので、手紙を添えて、きちんと感謝の気持ちを伝えることが大切です。たとえ、字があまり上手ではなくても、パソコンやワープロを使わずに、自分の手で書くことで、こちらの真心を伝えることができます。よほど親しい相手の場合は、送り状の代わりに電話を利用しても構いませんが、その際も、お歳暮を送ったことだけでなく、感謝の気持ちも忘れずに伝えるようにしましょう。 お歳暮の送り状は、お歳暮に同封するか、別便で送る場合は送り状が品物よりも先に相手に届くようにします。
2、 送り状は一般的な手紙の構成に従います。
送り状も、一般的な手紙の構成に従って書くのがマナーです。 一般的な手紙は次のような構成になります。 ①前文 前文には、時候の挨拶や相手の繁栄、健康を喜ぶ言葉などを書きます。一般の手紙では、前文で日頃の感謝の気持ちを述べることもあります。また、書き出しには、「拝啓」「謹啓」などの頭語をつけます。 ②主文 主文には、一番伝えたい要件を書きます。お歳暮の送り状の場合は、日頃お世話になっていることに対する感謝の気持ちとそのお礼として贈り物をするという旨を伝えます。送り状に限らず、手紙の中では最も大切な部分です。 ③末文 結びの挨拶として、相手の繁栄を祈る言葉や今後の交流や指導を願う言葉などを書きます。お歳暮は年の暮れに送りますので、来年の相手の繁栄を祈る言葉を書くこともよくあります。また、文末は「敬具」「敬白」などの結語で締めくくりますが、結語は文頭の頭語に対応したものを使用します。 ④後付け 最後に、発信した日付、差出人名を入れます。書く位置が決まっていますので、注意しましょう。 また、追伸や添え書きなどがある場合は後付けの後に記載します。
3、 時候のあいさつは欠かせません。(前文)
お歳暮は季節のものなので、たとえ親しい相手であっても時候の挨拶は必ず添えます。 お歳暮の時期に用いられる時候の挨拶としては、下記のようなものがあります。 *師走の候、みなさまにおかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。 *寒さも厳しくなってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。 *師走に入り、お忙しいことと存じますが、皆様お変わりありませんでしょうか。 *年末が近づき、街中のクリスマスのデコレーションが目を楽しませてくれるようになりましたね。 *年の瀬を迎えて慌ただしくなってまいりましたが、お元気でしょうか。 *今年も残り少なくなってまいりましたが、お変わりはありませんでしょうか。 などが用いられます。
4、 お礼の言葉は心を込めて。(主文)
お歳暮は、日頃お世話になっていることに対する感謝の気持ちを表すものですから、送り状の中では、お礼の言葉が最も重要になります。特に親しい人の場合は、たとえ文章が多少拙くても、決まり文句を使わずに自分の言葉で書いた方が、より気持ちが伝わります。 また、会社として公的に贈る場合であっても、仕事上でお世話になっている相手などに対しては、決まり文句を使った形式的なお礼の言葉だけでは、相手に感謝の気持ちは伝わりません。ただし、いくら親しく付き合っている場合でも、馴れ馴れしい表現は禁物ですので、形式を踏まえながら感謝の気持ちが感じられる文面になるようにしましょう。
5、 送ったものについても説明します。(主文)
日頃の感謝の気持ちに加えて、どんな品物を送ったかについても送り状に書き加えることもあります。特に、その品物を選んだ理由がある場合には、その由来について説明することで、こちらの感謝の気持ちもより伝わります。 また、送り状を品物とは別便で送る場合は発送日、到着予定日についても書き加えると相手も安心できます。特に、生鮮食品など早めに受け取ってもらいたいものを送った場合は、別便の送り状で到着予定日を知らせるか、親しい相手の場合には電話で到着日を連絡し、確実に受け取ってもらえるようにするのがベストです。その際は、押し付けがましくならないように、伝え方に気を配ります。
6、 相手の繁栄を祈る言葉を書きます。(末文)
末文として、相手の健康や繁栄を祈る言葉で締めくくります。前文の時候の挨拶と同様に年末の季節に適したものを使用します。 お歳暮でよく使用される末文は *皆様にとって、来年1年も幸多き年になりますようお祈り申し上げます。 *寒さ厳しき折、ご自愛のほどお祈り申し上げます。 *寒さも一段と厳しくなってまいりました。お元気で良い年をお迎えになりますようお祈りいたします。 *歳末のご多忙な日々をお過ごしのことと存じますが、くれぐれもお体を大切になさってください。 などです。
7、 親しい相手と改まった相手では、書き方を変えます。
当然ですが、親しい友人や親戚に送る場合と、上司などの目上の人に贈る場合では、送り状の書き方は変わってきます。 親しい相手に送る場合は、あまり手紙の形式にとらわれる必要はありません。形式から外れてしまっても、ときには具体的なエピソードなどを織り交ぜて、自分の言葉で書く方が、相手に気持ちが通じることもあります。 一方、目上の人などに送る改まった送り状の場合は、きちんと形式に則して書くようにします。美しい日本語を使った格調高い手紙にすることで、相手に対する敬意を表現することができるのです。もちろん、敬語の間違いがないようにきちんと調べて使用するのは、最低限のマナーです。
お歳暮シーズンが近づき、何を贈ろうか頭を悩ます時期になりました。一方で、贈り物は受け取った時の相手の喜ぶ顔を思い浮かべると、こちらも嬉しくなるものです。 お歳暮に限らず贈り物をする上で一番大切なのは、相手に喜んでもらいたいという気持ちでしょうが、その真心が相手にきちんと伝わるように、きちんと形式を守ることも重要でしょう。品物だけを送るよりも、送り状を添えることで、誠意も伝わるため、その後のお付き合いも円滑になるでしょう。これから送るお歳暮には、是非送り状を添えてみてくださいね。
本記事は、2014年10月24日公開時点の情報です。情報の利用並びにその情報に基づく判断は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮したうえで行っていただくようお願いいたします。